可もなく不可もなく

時の過ぎ行くままに

頭痛肩こり樋口一葉

8月7日、紀伊国屋サザンシアターに劇を見に行った。

高校からの友達と一緒に。

劇団こまつ座「頭痛肩こり樋口一葉」。

貫地谷しほり若村麻由美など豪華キャスト。

そのせいか、満員御礼状態だった。

年齢層はやや高め。ほとんどが、自分と同じかそれ以上の年齢の人達ばかりだった。

何度も再演されている人気のお芝居だそうだが、期待通り素晴らしいお芝居だった。

役者さんの演技もさることながら(特に若村麻由美さん演じるお化けとお母さん役の人がすごかった)、井上ひさしの脚本の素晴らしさに圧倒された。

 

樋口一葉について何も予備知識もなく、彼女の作品を一つも読んだこともないのに、

せりふと場の変化だけで、私のような頭の回転の遅い人間でも、スポンジに水がすっと染み込むがごとく、樋口一葉の人生や人となりを理解することができた。

どのせりふも、押しつけがましさがみじんもなく、一切の無駄が排除されていた。

また、とんでもなく悲劇的な内容のはずなのに、常に明るく、楽しい。

まさに、悲劇は遠くから見ると、喜劇に見える、という感じだった。

 

こんなせりふの生き生きしたお芝居はいままでみたことない。

何度も再演を重ねる人気のお芝居である理由がよくわかった。

本当に見に行ってよかった。

役者さんたちも、演じるのが大変だけど、楽しかっただろうと思う。

 

一緒に行った友達もとても喜んでくれた。

わざわざこまつ座にアカウント作って、チケットを取った甲斐があったというものだ。

 

樋口一葉がお札になる、ということになったとき、「どうして?」と思ったことがある。

大して作品も残してないし、お札になるほどの人かなあと。

でもこのお芝居を見て、本当に勇気のある壮絶な人生を送った人だったんだなあ、お札になってしかるべき人だと思いなおした。

 

今ですら、女性は生き方に制約が多い。日本は特にそうだといわれるけど、

欧米だってそう変わらない。損な役回りはいつも女が担っていると思う。

女がいないと男も生まれないのに、本当に大切に扱われていないと感じる。

日本では、欧米に追い付き追い越せと真似をしていく中でどんどん女性の地位が

下がってきたように思う。

そういえば、レディーファーストというのは、男の弾除けの盾がわりに女性を先に行かせることがその始まりだったと、どこかで読んだ。

 

鎌倉時代あたりまでは女性の地位はそんなに低くなかったとも聞いている。(北条政子しかり)

 

西欧的な考え方や慣習は、本質的には人間軽視の遅れたもののように思う。

人権、人権叫ぶのは、そこに人権がないからだ。

大体、これまでのひどい戦争はたいていヨーロッパから始まってる。

戦争しては、少し反省して、また戦争して。

いつになったら、このサイクルから抜け出すのだろう?

それに巻き込まれるほかの地域はたまったものではない。

中東でもアフリカでも常に争いが絶えない。

もうヨーロッパは、はっきり言ってオワコンだ。

関わると必ずこちらが損をする。かかわりたくない。そんな風に最近思う。